「家の強さの鍵を握るのは壁だ」と言います。必要なところに必要な太さの柱を配置するにしても、地震や強風によって住宅に加わる力は「横からの力」、つまり「水平力」で、この「水平力」に抵抗できるのは柱ではなく壁だと言うのです。「地震に強い家」と言ったときの「強さ」は「水平力に対する強さ」であり、現代ではそれは壁によってもたらされるというわけです。柱は、上から「垂直にかかる力」には耐えられても「水平力」には弱い。確かに「吹けば飛ぶような男」というと、対象になるのは「痩せてひょろりと背の高い男」のことですから、柱が「横の力」に弱いことも理解できます。次に、「力が加わる方向」も重要となるはずです。私たちは左右の足を広げて立ったとき、「横からの力」には踏ん張れても「前後からの力」を受けた場合、簡単によろけてしまいます。壁も前後の力には弱いはずです。この疑問に対する答えは、「壁には地震に対抗して「働く壁」と「働かない壁」があります。したがって、家の構造に合わせて東西方向と南北方向に釣り合いよく「働く壁」を配置することが大事なのです」というものでした。地震が起きたとき、家にどの方向から「水平力」が働いても大丈夫なように、バランスをとって壁を配置することが重要だというのです。「地震に強い家」となるには壁が重要ということがわかりましたが、そうならば「必要な壁をバランスよく確保する方法」を法令で明確に規定してしかるべきです。しかし、平成十一年の建築基準法の改正で、ようやくこの考え方が一部取り入れられたのが実態です。それまでは「(耐力壁を)釣り合いよく配置しなければいけない云々」とあるくらいで、いわば「精神規定」程度のもので拘束力はありませんでした。
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