床暖房の特性を生かした上手な使い方は、高気密・高断熱住宅の場合は、一部屋だけではなく一階の床面積全面に連続的に施工して、比較的温度の低い暖房を連続的に行なうことです。一階全面に施工すると二階も暖まるので、二階にはとくに暖房を必要としませんし、低い温度で使用するかぎり、一般の床材でも乾燥や変形はなく、安い建材で床暖房が実現できます。床暖房で一番費用がかかるのは、床暖房専用の床材や専用の畳です。これらを使用しないですむ工夫をすれば、四〇坪程度の総二階の一階の全面に施工しても一〇〇万円以内の予算で納まるはずです。これで、灯油熱源の場合で一ヵ月四、五〇〇〇円の暖房費に納まるのですから、快適性と経済性が両立する方法ではないでしょうか。とくに私がすすめている、遠赤外線を利用するブラックカーボンタイプは、床温度が低くても快適です。床の表面温度は、この場合二二〜二三℃程度で、室温と同じか一度高いぐらいです。これは人が寒くないだけで、いわゆる床がホカホカ暖かいという感じはない程度の温度なので、「うちは床暖房を入れている」と自慢したい人には向かない使用法かもしれませんが、何気なく暖かくて体は快適です。関東地方で、私たちのすすめる高気密・高断熱住宅で一階のフロア全面に床暖房を施工した場合、湯温四〇℃程度で、室温二二℃、床の表面温度は二二℃〜二三℃となります。この床の表面温度を、一般の住宅で使われる床暖房温度の二八〜三〇℃に高めると、部屋の温度が上昇して暑くていられなくなるほどです。ただし、布団を直接敷いて寝る和室の床は、布団を敷くまえに床暖房を切っておかないと、床からの熱が布団に伝わって暑くて寝られなくなるので、布団を敷いて休む部屋だけは、別にコントローラーをつける必要があります。
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