一九八〇年四月にロンドンで国際住宅都市問題研究会議が開かれたが、そのときあるイギリスの学者は次のような報告をした。「貧困というものはなかなか脱却しがたいものである。貧乏であるために学歴が低く、家が劣悪なために不健康で、よい職につけず収入も低い。祖父から子ども、子どもから孫へと引き継がれてきた貧困を脱却する契機になったのは戦後住宅全体の六割も建てられた公営住宅である」と。生活がよくなるためには、都市部でも人間が住めるような土地利用計画とか、そこに住めるような家賃制度とか、美しい街並みや居住環境をつくっていく住宅都市政策などの固有の論理が存在する。
[人気サイト]
> 広島県の賃貸マンション
> 奈良県の新築分譲マンション
> 狭山市の一戸建て
> 安城市の中古住宅
> 池上の賃貸
そこのところを戦後の政治も労働運動も見落としてきた。あるいは政策制度要求を軽視してきたこととつながっていると思う。いまの日本の根本問題は、政治が国民生活をまったくといってよいほど無視していることである。こういう政治の貧困に対して広範な国民の側から変革の論理、反撃がなかなか出てこない。政治を変えないといけないというふうに多くの人は思っていない。だから、八割以上の人が中間層意識に埋没し、自民党・三百余議席に投票してみたりする。どんなきっかけがあればこんな政治は許しておけないということになるのだろうか。私は、いまのような住宅事情とそれをもたらしている住宅土地政策が基本的な矛盾をもっているという認識を、広範な人々がもつことが不可欠だろうと思う。日本の住宅状況をこのまま放置しておいたら子どもの発達も老人の福祉も日々の健康も守れないということがだれの目にも明らかになり、その重大さにみんなが気がつけば、これはもう放置できないということになるのではないか。