第一の障壁を強化補完するために、第二の建築的空間的障壁が設けられる。建築的障壁とは、すなわちクラブへのアプローチの空間的難解さと言い換えてもいい。そこには、商業空間をデザインする際の一般原則であるわかりやすいアプローチとか、はっきりとした表示といったものは、まったく意図されていない。むしろ逆にアプローチの難解さ、迷路性のほうが好まれ、わざわざ難解さや迷路性が空間的に実現されている。客は銀座の裏通りに面した、似たような姿のペンシルビルの中から目差す一つを捜し出す。
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その一つのビルの地階から最上階に至るまで、無数の同じようなクラブがひしめいている。客は息が詰まるような狭苦しいエレベーターを使って、その中の一つの階に到達し、さらに薄暗くて寂しい廊下を歩きながら、それに面して並ぶ閉鎖的な扉の中から、目差す一つを捜しあてなくてはならない。この難解で困難なアプローチは、仕方なくこうなってしまったのではない。排他性を実現するための最適な空間的解決案が、この難解なアプローチなのである。そして空間の排他性を象徴するために、クラブの排他的空間が住宅でコピーされるのである。それによってやんごとなき住宅であることが指示されるのである。