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アンコールワットのラテライト

2011.10.14

カンボジアにあるクメール王国最大の墳墓寺院がアンコールワットである。十二世紀にスールヤヴァルマン二世によって建立されたアンコールワットは、それを囲む堀、参道、三つの回廊、中心部の五基の塔とそれを結ぶ階段や石門などから構成されている。また、アンコールワットとは、「多くの寺のあるところ」という意味をもち、約二十キロ四方のなかに、数十の寺院も存在している。これらは、密林のなかで、千年近くの時間を耐えた石造の建築群である。初期の石造建築は硬質砂岩のブロックだけでできているが、時代が進むと石材が枯渇し始め、大きなブロックとして採取できなくなる。そこで使われたのが永遠のコンクリートともいえるラテライトによるブロックであり、このアンコールワットに千年近くの耐久性を与えたのである。ラテライトといっても種類が多く、分類するとラテライト性土、熱帯赤色土、ラテライト石、プリンサイト、ラテライト砂利がある。アンコールワットのものは、ラテライト砂利(lateritecgravel)であろう。ラテライト砂利は、うねりのある地形の斜面の上部、あるいは丘や大地の端部に存在する。塊状のラテライトはボーキサイトといい、世界中の赤道近傍に分布している。地面から掘り出したときは軟らかいが、時間がたつと硬くなるラテライトは、濡らしても乾燥しても固まっているのが特徴である。日干し煉瓦と比較すると、じつに硬く風化にも強い材料である。アンコールワットでは、主に周壁、建物の壁や基礎部分などに用いられている。ラテライトの表面を砂岩で覆っているものや、ラテライトと砂岩を組み合わせているものもありこうした建築材料の構成が、千年近い年代を経たアンコールワットを印象づけている要因にもなっている。

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